主演:田中真理 吉泽健 高桥明
导演:藏原惟二
简介:ロマンポルノを社会問題化させた女優?田中真理のデビュー作ですが、それは彼女の所為ではなく、ロマンポルノという新しい映画に賭けた当時の若い才能とエネルギーの噴出があってのことだと思います。
もちろん彼女の素晴らしい魅力は否定出来ません。そのあたりは「闇の中の妖精?田中真理の巻」をご一読願います。
さて、この物語は、明日は結婚式という田中真理が、モーテルで昔の恋人と最後の恋の炎を燃やすところから始まります。
そしてその情事の帰り道、彼女の運転する車が若い男を轢いてしまうのですが、なんとその土壇場で、昔の恋人は係わり合いを恐れて逃げてしまうのです。
途方にくれた彼女は覚悟を決め、その男を車に押し込むと、ある湖に沈めてしまおうと画策し、必死でボートを漕いで男を水中に落とし込むのですが……。
という発端から、その現場をハンターに見られていたことから田中真理は強姦されます。ここは森の中を必死で逃走する彼女と執拗に追跡する高橋明が迫力満点ですし、冒頭からの演出が、往年の日活ニューアクションを継承しているようで痛快です。これは蔵原監督がロマンポルノ以前の日活最後の作品となった「不良少女魔子(昭和46年?夏純子主演)」で監督デビューしている事と、何らかの関連があるように思えます。
で、物語はこの後、アッと驚く逆転劇から破滅的に爽快なクライマックスを迎えますが、共に青春の終わりと終わりなき日常からの脱出を夢見る男女の姿が、如何にも当時の雰囲気で、この作品はそれを最高に今に伝えていると思います。
ちなみに主演男優の吉澤健は、唐十郎の状況劇場出身で、若松孝二監督のお気に入りとなり、同監督のピンク系作品に多数出演し、その流れからロマンポルノにも初期作品数本に出演している二枚目で、現在でもVシネマやテレビの2時間サスペンスに顔を出しています。
ということで、これはやるせない青春サスペンスの秀作として、機会があれば、ぜひともご覧いただきとうございます。